現在水辺に求められているのは、様々な生き物が生息できる「生物多様性」に富んだ空間だといわれており、川に植物プランクトンを増殖させることが第一歩だと考えられています。天然素材である火成岩(花崗岩)や木材には、植物プランクトンの増殖を助けるたくさんの条件が備わっています。
このことを実証するために、河川構造物や工事で使われる可能性のある天然素材と人工素材の付着量1)の比較調査を、宮城県北部の奥羽山脈を水源とする鳴瀬川で行ないました。
方法は、縦40.5cm横24.5cmのプラスチック製の板に各素材を固定した実験セットを製作し、素材表面までの水深がほとんど一定になるように河床へ固定しました。付着量は、一定期間設置後、各素材の表面をブラシで強制的に剥離させ採取しました。
実験を行った結果、グラフ1を見ればわかるように天然素材は人工素材より多くの付着量が観測できました。これは天然素材にたくさんの付着生物膜1)がつくことにより、植物プランクトンなどが増殖しやすい環境になったためです。
このことから「火成岩(花崗岩)」や「木材」の天然素材は植物プランクトンの発生から成長を支える『鍵』を持つことにより、川の中のみならず水辺を「生物多様性」に富んだ空間にする働きがあることがわかります。
1)付着生物膜…ひとつひとつは目に見えない小さな藻類などが、たくさん集って膜状になったもの。
2)付着量…植物プランクトンと腐食生態系を構成する微生物などの合計
|
|


|